◆差別解消法への動きについて
北九州市保健福祉局 障害福祉部障害福祉企画課
秦 勝彦
1.障害者差別解消法の施行
平成28年4月から「障害者差別解消法」が施行され、これまでの法の周知や障害理解の促進などに加え、実際に発生する個々の差別事案を解消につなげていくための具体的な取組みが求められます。そこで、北九州市では、平成28年度から次の取組みを新たにスタートしました。
2.北九州市の取組み
(1)障害者差別に関する相談窓口の開設
障害者差別に関する相談に応じるため、専門相談員を配置した「障害者差別解消相談コーナー」を、小倉北区大手町の「男女共同参画センター・ムーブ8階」に開設しました。同一フロアにある「人権推進センター」との連携も図りながら、障害者差別の解消に取り組んでいます。
(2)北九州市障害者差別解消支援地域協議会の設置
地域の実情に応じた差別の解消を主体的に行うネットワークとして、障害当事者や地域関係者、事業者など様々な機関で構成する「北九州市障害者差別解消支援地域協議会」を設置しました。協議会では、差別事案の共有やお互いの連携を図ることにより、「制度の谷間」や「たらいまわし」が生じない体制の構築や地域全体での相談・紛争解決機能の向上などを目指します。
また、事務局を北九州市障害福祉団体連絡協議会(障団連)と協働で担っており、各障害者団体との円滑な連絡調整や意見集約、当事者の視点を生かした協議事項の整理などを行うことで事務局機能の強化を図っています。
(3)北九州市障害者差別解消条例に関する有識者会議の設置
身近な地域において障害者差別を解消し、共生社会の実現を目指すことを目的とする「障害者差別解消条例」を制定する動きが全国的に広がりつつあり、福岡県においても昨年12月に条例(原案)が示されました。このような流れの中、本市におきましても、条例を制定する意義や必要性等について、市としての方針を判断していくために、「北九州市障害者差別解消条例に関する有識者会議」を立ち上げ、構成員の皆様から幅広い意見をいただいています。
3.終わりに
市民の意識を変え、社会のあり方を変えていくことは一朝一夕にできることではありませんが、障害者団体や関係機関、事業者、行政などが一体となって、これらの取組みを一歩ずつ着実に進め、法の理念でもある共生社会の実現を目指してまいります。