◆「障団連」の取り組み
北九州市障害福祉団体連絡協議会 事務局長 古賀 由美子
北九州市障害福祉団体連絡協議会(通称「障団連」)は、北九州市差別解消法連絡会議について業務委託を受け、事務局の一員として関わってきました。まず最初は、連絡会議の構成員の内、障害当事者や支援者などの関係者の推薦及び交渉を行い、当事者や支援現場の生の声か届けられるような連絡会議になるようコーディネートに努めました。
実際に5つの連絡会議が始まると日程調整や議事録作成などの事務作業に追われる日々となりましたが、連絡会議の構成員の皆さんの熱心な意見交換を傍聴し、多くを学ぶことができました。
いわゆる障害福祉の関係者と日頃は障害福祉と関わりの薄いところに居られる方々の意見が、時には一致し、時には大きく隔たっていることもありました。そのような中で、差別解消法の本来の意味するところや、いくつかの課題が見えてきました。
北九州市は、紛争解決のための相談窓口を設置、相談員を配置して相談に応じるとしていますが、どのように解決させるのか、相談員は何を判断基準とするのか、相談員にはどんな権限が与えられるのか等が明確になっているとは言えません。
障団連としては、差別解消法で明確に定められていない差別の定義や紛争解決の道筋等について、北九州市らしさを特色とした北九州市独自の障害者差別解消条例が必要ではないかと考え、勉強会を開始しました。
(*詳細後述)
更に、一人でも多くの市民に、障害の理解と障害者を身近な存在に感じていただくための出前講師活動や、ひとりでも多くの市民と障害者が接する「場づくり」を、機会を捉えて行っていきたいと考えています。
「ともに」生きる社会づくりへ
4月からの施行開始によって何かが大きく変わるということではないようです。むしろ、これまでの反動のように差別解消法を振りかざして時には荷重な負担となる合理的配慮を求める障害者も現れるかもしれません。そのことで障害者に対する社会の目が厳しくなるようでは、差別解消法の本来の目的である「共生社会の実現」は難しくなります。
障団連は、そのような人たちのこれまでの辛く悲しかった思いに寄り添いながら、どうすれば「ともに」生きていける社会になるのかを、その人にとってどうすればよいかを「ともに」考え、アドバイスができるとよいと思いますし、そのような役割を果たしていければと思っています。
また、様々な相談機関・団体が受けた事例を一箇所に集め、検討し、積み上げていく作業が始まることになるので、これらの動きにも関わっていけるとよいし、関わるべきであると考えています。
この法律を生かすも殺すも今後に係っています。当事者団体として、当事者支援団体として、ますます障団連への周囲の期待が高まる中、会員団体が更に気持ちをひとつにして共生社会の実現に向けて活動していきたいと思っております。
差別解消条例を考える勉強会
全国各地の状況を確認したところでは、二十ヵ所近くの市や県が独自の条例を既に制定していたり、制定しようとしているようです。そこで他の自治体の例に学びながら、みんなで考える会を左記のとおり行います。
第一回 4月14日(木曜日) 18時半 東部障害者福祉会館6AB
第二回 5月8日(日曜日) 13時半 西部障害者福祉会館501
障団連の会員研修会として実施しますが、ご一緒に勉強したいという方は大歓迎です。参加ご希望の方は、準備の都合がありますので、事前にご一報ください。
TEL 882-6770 FAX 882-6771